八ヶ岳 北横岳(雪山登山)
冬の北横岳の魅力
冬の代表的な登山口である北八ヶ岳ロープウェイへはバスや車で入ることができるため、アクセスが良いことが特徴の一つとして挙げられます。さらに北八ヶ岳ロープウェイを利用することで、日帰りで2,500m級の山に登ることができることが最大の魅力です。
ロープウェイ山頂駅は標高2237m。そこは一気に雪山の世界です。山頂駅を出るとすぐに坪庭に入りますが、雪一面の坪庭は高山植物が咲き乱れる時期とは全く違った趣です。
山頂駅から標高差にして250m程の登りですので、雪山を体験してみるには適した山です。
北横岳は南峰と北峰の二つの山頂がありますが、南峰からは縞枯山や南八ヶ岳の景色が広がります。また、北峰からは蓼科山を間近に見ることができます。
そしてまわりには霧ヶ峰や美ヶ原、浅間連山、そして南アルプスや中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳、北アルプスなどの大パノラマが広がります。冬は遠くまですっきり見える日も多く、雪のついた山々を遠くに眺めるのは格別です。
日帰りできること、コース上危険な箇所は少ないこと、コースの大部分が樹林帯の中を通ることなどから、初心者の方でも安全に雪山を楽しむことができます。
おすすめコース
北八ヶ岳ロープウェイ山麓駅・・(ロープウェイ)・・山頂駅・・(1'30)・・北横岳ヒュッテ・・(0'25)・・北横岳・・(1'10)・・坪庭・・坪庭散策(0'25)・・
山頂駅・・(ロープウェイ)・・山麓駅
(コースタイム 3'30)
北八ヶ岳ロープウェイを利用し、北横岳山頂を往復します。冬でも入山者が多く、雪道はよく踏まれていて歩きやすいです。また北横岳ヒュッテの方がよく雪道を整備されているので、安全に歩くことができます。
冬でも北横岳ヒュッテの外トイレ(有料、100円。必ずアイゼンをはずして利用してください)が利用できます。
【注意点】
- 雪山入門の山といわれますが、初めは必ず経験者の方と同行してください。必要な装備を揃えてもその使い方を十分理解していないと危険になる場合もありますし、歩くペースや休憩の取り方など夏山とは違う部分があります。
- 八ヶ岳は雪の量は北アルプスなどに比べ少なめですが、気温の低さは第一級です。1月~2月は日中でも-15~-10度ぐらい、時には-20度ぐらいの時もあります。
コース途中の坪庭や北横岳山頂では風が強いことも多く体感温度はさらに低くなります。目出し帽・ネックウォーマーなどで顔を覆う、アウターのフードをかぶる、オーバーグローブを重ねるなど風への対策も必要です。 - 坪庭は天気がよければなんでもないところですが、ガスがかかったり、吹雪いている時には目の前が真っ白で方向がわからなくなります。そのような時は目印のポールをたよりに進みましょう。
冬の北横岳コースの様子

北八ヶ岳ロープウェイ山麓駅から見た北横岳。

坪庭から見える北横岳方面の眺め。岩がゴロゴロした坪庭も、ほとんどの岩が雪で覆われます。

北横岳への登りに入ったあたり。樹林帯のなかの少し急な道ををジグザグに登ります。そこを登りきると傾斜もややゆるくなり、坪庭を眺めることができる箇所があります。

北横岳ヒュッテ。雪山では気軽に座ることができる箇所が少ないので、ベンチやイスのあるヒュッテ前は休憩するにはよいところです。北横岳ヒュッテは宿泊の予約がない日は基本的に閉まっているので注意してください。

北横岳ヒュッテ近くの七ッ池。冬は一面の雪原となります。

雪のトンネルの中を進むようです。

樹林帯の中の急な道を登りきると最後は視界が開け、北横岳の山頂が見えてきます。

北横岳には南峰、北峰の二つの山頂があります。こちらは南峰の山頂からの展望です。縞枯山や南八ヶ岳の山並がよく見えます。

北峰からの眺めです。蓼科山が大きく見えます。浅間山も見ることができます。

南峰と北峰の間はほんの3分ほどです。それぞれ眺めが違いますので、ぜひ両方行ってみましょう。